人との出会いはさらなる人との出会いを繋ぐ

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先日、広島県福山市鞆の浦(とものうら)に到着し、その日はあいにく雨だったのですが、素晴らしい人たちとの出会いにより、私の心には太陽輝く快晴の空がひろがっております。

鞆の浦という場所は、以前放送されておりました『流星ワゴン』というドラマの撮影地でございまして、このドラマが好きだった私は完全に心が舞い上がってしまい、写真を撮ることばかりに気をとられ、傘を差すのも忘れてしまう程でした。

 

変人ドライバーとの出会い

朝早くから岡山県倉敷市を出発しまして、粘ることおよそ30分。とある軽自動車が私の前に停車しました。運転をしていらしたのが50代と思われる男性で、その風采は極めて変人。髪はボサボサ、アゴヒゲをたくわえ、足元を見れば靴下をも履いていない強者でありまして、彼曰く、「裸足のほうが運転しやすいけぇ」とおっしゃいます程の変人っぷりでございます。そんな彼に私は完全に面食らってしまいまして、というのも、彼の瞳は子供の瞳のようにキラキラと輝きに満ち溢れていましたもんですから、私は忽ちそのGAPに愛しささえ抱き始めたのでございます。

ところがどっこい、「もともとは何処に行かれるのですか?」と質問致しますと、「パチンコパチンコ」と言うものですから、私は心の中でなんやねん!と思いながらも「今日はきっと大当たりですよ!」と大きく大きく頷きました。

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福山市に到着しますと、「朝御飯奢ってやるけぇ(広島方言風)」とおっしゃってくださいまして、私は彼がパチンコで大勝利を収めることを祈りながら、吉野家の「牛ねぎ玉丼並盛」を美味しく頂きました。そんな彼は、九州男児佐賀の出身でありましたことも彼の変人さを一層際立たせたのでした。パチンコの神様が存在するのでしたら、どうぞ彼をお救い下さい。感謝、永遠に。

彼と握手を交わした後、彼の運転する軽自動車が愉快に走り去っていくのを、私はじっと、見届けました。

 

鞆の浦へ

広島県福山市に到着したのは良いものの、私には目的地というものがございません。このままヒッチハイクをして、ドライバーの流されるがままに身を任そうかとも考えましたけれども、1つ、行ってみたい場所が脳裡をよぎりました。それが冒頭でも紹介しました、鞆の浦という場所でございます。福山駅から南下して、そのまま鞆の浦へ向けてヒッチハイクで向かった私は、ワクワクが止まりませんでした。実際に行ってみますと、当然のことなのですが、当時見ておりました『流星ワゴン』に出てきた場所そのものでございまして、私がその地に足を踏み入れたときの感動は言うまでもありません。

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とろ~りと、ゆったり流れる時間は心地良い

そうこうして写真ばかり撮っているうちに、徐々に徐々に雨も強くなってきまして、これはさすがに風邪を引いてしまう。と思った私は、ちょうど近くにありました、店名「とうろどう」という茶店に入店いたしました。

入店と同時に、私の異様な恰好に興味を持ってくれたのか(というのも私は巨大な80Lのザックを背負いホワイトボードを持ち歩いている)、お二人のおじいさまが気さくに話しかけてくださいまして、思いのほか人見知りの私でもすんなりとおしゃべりを楽しむことができました。

一人は店主のおじいさま、もう一人は元小学校教諭のおじいさま。このお二人と過ごす時間は非常にゆったりとしたものでありまして、良い意味で時の流れが遅いなぁと感じることができました。時の流れがとろ~りと溶けていく感覚は、時の流れが加速してしまった現代では、貴重な時間になるのだなぁということをしみじみ感じております。

 

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タブレット型パソコンを持っていた店主のおじいさまは、契約しているポケットWi-Fiがおかしくなってしまって、ネットに繋がらないと困っておりました。その不具合を私が直してあげますと、店主は大喜びしてくれまして、うどん、ぜんざい、チャーハン、わかめスープなどを無料で与えてくださいました。さらに、今晩泊めてあげるというお言葉までいただき、私はもう、これまでのすべての出会いにひたすら感謝をするしかありませんでした。

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感謝、永遠に。

 

~余談~

私はあずきが嫌いです。実を言いますと、私は幼い頃にぜんざいを食べたことをきっかけに、あずきを嫌いになりました。喉にしつこくつきまとうあの甘ったるい感じ。今でも幼い頃に食べたぜんざいの記憶は鮮明に覚えております。しかし、店主のおじいさまが作ってくださったぜんざいを食べたとき、思わず「美味しい…」という言葉が漏れ出てしまいました。私はいつの間にか、あずきが嫌いではなくなっていたのです。

人は、昔の怖かった(嫌いだった)ものを現在にまで引きずって、怖い(嫌い)と思い込んでいることがしばしばあります。かつては怯えていたものが、必ずしも今も怯えるものであるとは限りません。その気付きを得るためには、昔怯えていたものに対して今も怯えているのかどうかを確かめるためには、やはり一度、昔怯えていたものと戦う必要があるのだと思います。それが、ぜんざいから得た教訓でございました。

 

【一期一会(いちごいちえ)】~今、この瞬間の出会いを大切に~

日常のさまざまな場面で使われるこの言葉は、もともと「この茶会を一生に一度の出会いと心得て、もてなす側も、もてなしを受ける側も共に誠意をつくす」という茶の湯の心を表すものです。

人、物、景色……どんな出会いも人生でただ一度しかなく、すべてがかけがえのない存在に思えるはずです。毎日の何気ない出会いに感謝し、目の前にある存在に真心を持って接してみてください。その積み重ねが、あなたの財産になります。

~武山廣道『くり返し読みたい禅語』~

 一期一会も禅語です。今回の旅で得た教訓をまとめますと、これまでのすべての出会いが、これからのすべての出会いに繋がっているということでございます。倉敷まで乗せてくださった方がいなければ、変人ドライバーに出会うこともなかったでしょうし、変人ドライバーに出会わなければ、おそらくお二人のおじいさまと出会うこともなかったことでしょう。私は、今、この瞬間の出会いを大切にしていこうと思いました。

 

 気さくなおじいさま二人組。

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元小学校教諭のおじいさまが、私の似顔絵を描いてくださいました。

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私は、今日の素晴らしい出会いに感謝しております。

人との出会いはさらなる人との出会いを繋ぐ。

 

ではでは、おつぽん!

 

 

▼ 「とうろどう」を一人で切り盛りしている店主のおじいさまによるTwitterアカウントです。

とうろどう(@tourodou)さん | Twitter