ゴキブリへの殺意をほんの少しだけ抑えることができる話。

荒ぶる常務

 

「さぁ寝よう。」

まさにそう思ったとき。

 

床の上で何かがうごめいているのがわかった。

 

そう、ゴキブリである。

 

ゴキブリなのである。

 

さぁ寝ようそう思ったとき自分の部屋でゴキブリがカサカサと奇妙に触覚を揺らしながら床の上を這いまわっているその状況の中で

誰が気持ちよく眠ることができるだろうか、いや、できない

 

そして、眠れないからいろいろ考えたんだ。

いろいろ考えた結果

悪いのはどうやら、僕たち人間らしい

 

人間が一方的にゴキブリを嫌ってるだけだ

もはや人間は本能的に嫌ってますよね、ゴキブリのこと。

生まれたときから嫌ってるんじゃないかな。

ゴキジェットプロだとか、ゴキブリホイホイだとか、様々なゴキブリ抹殺アイテムが開発されてるほど、人間はゴキブリを嫌っています。

しかしいくら考えても、ゴキブリを嫌う、抹殺する正当な理由がわからないんです。

ただ、キモイから

それだけです。

これ、人間の世界で考えてみましょう。

 

キモイからという理由で、一人の人間が、その人専用の抹殺アイテムで殺されます。

 

全然正当じゃない。

てか、恐ろしいわ!!

 

あ!正当な理由があった!

住居侵入罪。

これなら正当な理由だろ。

だって、人間以外の生物だって、敵が自分たちの縄張りに入ってきたら攻撃するじゃん。

 

でも少し考えてみる。

これ、ゴキブリじゃなく、ハムスターとかいわゆるかわいい系の動物が、カブトムシやクワガタとかカッコイイ系の昆虫が、住居に侵入してきたらどうだろうか。

 

たとえ嫌ったとしても、殺しはしないでしょう。

見た瞬間に殺意むき出しにスリッパ持ってスパンッとはいかないでしょう。

むしろかわいがる人のほうが多いかもしれない。

 

これじゃぁ立派な差別ではないか。全然正当ではない。

 

という風に正当な理由を見つけ出そうとしても見つからない。

ただキモイからという理由で人間が一方的にゴキブリを嫌っているだけなのだ。

 

ゴキブリだって生きている。

当然だ。ゴキブリにも命がある。

昔小学校の道徳の時間に、命の大切さについて学んだはずです。

差別について、命について、人権問題について語る人だって山ほどいます。

 

でもね、そういう人たちでも、ゴキブリは殺す

 

中には殺さない人もいるんでしょう。

でも、殺さないだけで嫌ってはいる

それもキモイからという理由で。

 

そういう人たちが、差別について、命について、人前で熱く語っているわけか。

あぁそうか、

結局人間が言う「命」というものには、ゴキブリなどというちっぽけな命なんて含まれていないということか。

なんとも人間中心な考え方ですね。

 

このように、いろいろ考えた結果、ゴキブリは悪くないんです。

悪いのは、一方的にゴキブリを嫌い、さげすみ、抹殺しようとする僕たち、人間なんだ。

悪いのは、ゴキブリみただけで眠れなくなってしまう僕みたいな人間なんだ。

 

あぁ全て人間が悪かったんだ。

よしこれでスッキリした。

さぁ、寝るとしよう。

 

・・・・・。

 

・・・・。

 

 

 

眠れねーよチキショー…。